紺野真のカリフォルニア、ワインを楽しむ旅2 | Wine365

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27. November 2016

紺野真のカリフォルニア、ワインを楽しむ旅2

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サンフランシスコの街を散策。ヒップな店が集まるミッションエリアには素敵な店が目白押しなのだけれど、中でも行きたかったお店の一つが「タルティーヌベーカリー」。思ったより小じんまりとしていて、その世界的な知名度の割には、よくある町中のカフェのような佇まい。でも明らかにいい感じの雰囲気が店の外にまで漏れ出てきている。お店には絶え間なくお客さんが出入りしていて、聞くところによると午後のパンが焼き上がる時間には長蛇の列ができるそうだ。スタッフさんがおすすめしてくれたスモーキーターキーサンドイッチとベイビーレタスのサラダをいただく事にした。ターキーってアメリカ人にとってはごく庶民的な食材だけれど、アメリカ以外の国ではあまり見かけない。すごくあっさりしていて、火入れ具合によってはしっとりして、とてもおいしい食材だと思うのだけれど。そしてこのタルティーヌベーカリーのサンドイッチは相当においしかった。おいしいというより、旨いという表現の方がぴったりとくるかもしれない。噛めば噛むほど粉の風味を感じるリュスティックなカンパーニュは、皮がガリっとする位しっかりと焼きが入っている。中の具はスモークされたターキーと、ペストソースと濃厚なチーズ。ワイルドなカンパーニュで挟んでも負けない位の存在感がある。仕上げにオーブンで香ばしく焼き上げてあって、中のチーズが熱々に溶けている。思い出すだけでもう一度食べたくなってくる。
店ではコーヒーやハーブティーなどの他にワインも扱っていて、僕等はプロセッコをグラスでいただいた。その柔らかい喉越しから想像するに、ナチュラルな生産者なんじゃないかなと思う。すっきりとした柑橘のニュアンスがあって、昼間から飲むにはぴったりの一杯だった。おまけに食後にいただいたレモンタルトとの相性も抜群で、最高のランチとなった。こんなお店が東京にもあったらなと切に願う。

 

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(写真左)東京にも進出している「ダンデ・ライオン・チョコレート」を見つけたので、立ち寄ってみることに。店内ではいわゆるビーン・トゥー・バーの作業工程を目の前で見る事ができる。ホット・チョコレートをいただく。僕の人生の中で最も濃厚なホット・チョコレートだった。なるほど、この小さなサイズというのも納得。この1杯だけでものすごい充実感があるからだ。ただ濃いというだけでなく、複雑に風味が重なった深みのある1杯。他のスパイス入りなども試してみたかったが、おなかのスペースの関係で断念。今度東京店も行ってみます!

(写真右)夕飯前にもう1軒、どうしても来てみたかったお店に立ち寄る。「four barrel coffee フォー・バレル・コーヒー」。この店の事を、旅から戻った今もよく思い出す。とても好きなお店だった。こればかりは実際に行ってもらわないとなかなか伝わりにくいのだけれど、オーナーそしてスタッフの人たちが店を愛していて、パッションの部分も含めて、その店のスタイルをしっかりと守っている感じがするのだ。それが客である僕等にもスタッフのさりげない仕草や、店内のあらゆる所からにじみ出て伝わってくるのだ。とてもカリフォルニア的で、ゆるやかで、どことなく健康的なお店だと思うし、自由だけど、芯には“ここだけはゆずれない”っていう硬派な部分がしっかりとあるお店だと思う。素敵なお店だな、ここ。めちゃ格好いい。皆さんにも是非行ってもらいたい。(コーヒーカップフェチな僕的には、ここのラテのカップが忘れられない)

 

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この日の夕飯は、この旅でもっとも刺激的なものとなった。「Bar Tartine バー・タルティーヌ」。アメリカ人はレストランの店名に「ビストロ」とか「カフェ」とか冠を付けるのが割と好きなのだけれど、こちらは「バー」と名乗っているが、中身はいわゆる「バー」ではなくて「カジュアルなレストラン」。  それは堅苦しいスタイルではないというだけで、やっている内容はそこら辺の高級レストランを陵駕するようなクオリティーで、仕事に対してとても真摯な姿勢を感じる。料理はスーパークリエイティブで、そして文句なしに一皿もれずどの品もおいしかった。そしてものすごく刺激を受けた。お任せのコースのみだが、シェアして食べる感じも肩の力が抜けていて居心地がいい。神妙な顔をして料理を食するというより「うまい、うまい」 と言いながら楽しく皿をつつく感じ。サービスもとても丁寧で、チップで生計を立てるプロのサービスマンの仕事を思い出させてくれた。「これがアメリカの接客だよな」という感じ。ワインもナチュラルなラインナップで、好きなワインがいくつもリストに載っていた。僕等は大好きなドンキー・アンド・ゴートとブルック・セラーズをいただく。レフェルヴェソンスの生江シェフが連絡を入れてくださったようで、食後にシェフのコートニーさんと軽く会話をかわす事ができた。おまけにお互いのレシピ本を交換させていただいた。宝物にします!

 

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L.A.に向かう午後の飛行機の前に、「Ferry Building Market Place フェリー・ビルディング・マーケット・プレイス」に立ち寄ってみる。ここは多くの飲食店や雑貨屋が入っていて、観光名所でもある。お土産を買いに行ったり、ご飯を食べに行っても面白い場所かと思う。うっかり写真を取り忘れてしまったが、ワインショップもあって、そこにはバーも併設されているので、試飲して気に入ったワインがあったら購入するというのもいいかもしれない。僕は知識が豊富なスタッフさんに相談にのってもらい、Dirty & Rowdy というユニークな名前のワインを購入。僕が知る限り、日本にはまだ輸入されていなさそうな雰囲気だ。開けるのが楽しみ。

 

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朝食は「boullet larder ブーレットラーダー」という名のお洒落な雰囲気の店に入ってみる。ここがとても良かった。引き算のお洒落。どことなくコペンハーゲンにある「Atelier September アトリエ・セプテンバー」を思いださせる。こういう飾り立てていないのに、お洒落に見えるのって、本当にセンスのいい人にしかできないと思う。ただの鰯の塩焼き、ただのシリアルなのに、なぜか素敵。そしておいしい。もしフェリー・ビルディングに寄る機会があったら、是非。

 

 

 

 

 

 

 

 

紺野真

三軒茶屋「uguisu」西荻窪「organ」店主

三軒茶屋「uguisu」西荻窪「organ」店主。著書は『なぜかワインがおいしいビストロの絶品レシピ〜隠れた人気店ウグイス&オルガン自慢の50皿〜』(サンマーク出版)。
好きなワイン 動くワイン。つまり、抜栓してグラスに注いでから刻一刻と表情を変えていくワインが好きなんです。 
好きなつまみ シェーブルチーズ+フレッシュタイム+はちみつ

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