紺野真のカリフォルニア、ワインを楽しむ旅3 | Wine365

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4. December 2016

紺野真のカリフォルニア、ワインを楽しむ旅3

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L.A.に移動。20代の頃さんざん通いつめたカフェがある。ロング・ビーチにある「The Library Coffee Shop」だ。僕にとってカフェは「文化が生まれる場所」だが、それを教えてくれたのもこのThe Libraryだった。店名からも想像できるように、店内には古本が棚一杯に置かれ、客はその本を自由に読むことも購入することもできる。オーナーとスタッフが自らジャンクヤードに足を運び、ただ同然で仕入れてきたような中古の椅子やテーブルが無造作に置かれている。壁はペンキで適当に塗られた感じなのに、古びたシャンデリアが存在感を放っていたり、くたっとしたラグが妙に格好よく見えたりして、一つ一つの調度品はバラバラなのに、不思議と店全体で統一感があるのだ。「もし自分が店を開いたら必ず本を置こう」「大きなソファーに、シャンデリアも置きたいな」なんてことを、コーヒーをすすりながら想像する毎日だった。それから大分経って、僕は東京でウグイスをオープンすることになる。ウグイスはここで膨らませたイメージが原型となっている。

25年という歳月が経った今、The Libraryはどんな風になっているのだろうか。あまり期待をしないで覗いてみることにした。そこはあの懐かしいリラックスした雰囲気に満ちていた。変わらない。「ウグイスの原点はここなんだってわかる気がするよ。似ているね、やっぱり」妻がぽつりと言った。どこかの店に似ていると言われるのは、普通ならあまり嬉しいことではないのだろうけれど、Libraryに似てると言われて妙に嬉しく感じている自分がいた。

 

 

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ビーチ沿いに南に下る。サンディエゴの手前にある、夕日が一番美しいと言われるラーホーヤ・ビーチに向かった。ラーホーヤには1軒「La Valencia Hotel」という素晴らしいホテルがある。 地中海様式の明るいピンク色の壁が特徴で、古い由緒あるホテルだが、内装はリノベーションが加えられていて、さびれた感じもない。このホテルのバーで休憩。僕は運転なので酒は飲めなかったが、妻がカリフォルニアのサクラメントにあるワイナリー、テラドーロの白ワインを飲む。シュナンブランとヴィオニエがアッセンブラージュされた、しっかりとボリューム感のあるワインだった。
(写真左)ラ・ホーヤ・ケイヴを散歩する。砂浜ではなく岩状になっており、そこに多くのアザラシが住んでいる。
(写真右)これぞカリフォルニアとうような景色が広がる。

 

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ニューポート・ビーチを散策途中に、にぎわっているお店を見つけたので、そこで夕飯を取ることにした。「Royal Hen」 ここが大当たりだった。比較的新しいお店のはずなんだけど、とにかくおいしかった。
(写真左)シーザーサラダも繊細な感じでめちゃおいしい。 ソーヴィニヨン・ブランと一緒に。
(写真右)メインはホタテ貝とグリーンピースの組み合わせ。アメリカンだがボーダレスな感じの料理で、この皿に関して言えば、すごくフレンチなニュアンスを感じた。

 

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(写真左)5年間ウェイターとして働いていた「Spoon House」 というスパゲッティ屋さんに行く。日本人オーナーの日本風のスパゲッティを出すお店で、ローカルの人たちに長く愛されているお店だ。シェフのシモンとアサンシオンと一緒に記念撮影。 いつまでも、そこにいてくれよなと心底思う。

(写真右)グリフィスパークからハリウッドまで山を降りて、ドライブしているとやたらと賑わっている店があったので、そこで夕飯を取ることにした。夜遊び慣れした感じの人達が多く集まっている感じの「La Poubelle」という名のビストロだ。サラダと野菜のクスクスをハウスワインと一緒に頼む。 店内も賑わっていてとてもいい雰囲気。

 

僕がやっている仕事って、実は自分自身ではあまり仕事のように感じていない。 仕事のために、興味がないことを我慢して習得した思い出ってほとんどない。 人生の中で体験したこと、日々いいなと感じたことを掘り下げて吸収し、それを形にするのが僕の仕事だ。 だから僕の仕事には僕が通ってきた道筋の影響がもろに出ている。 今回の旅はその道筋を遡って見直す旅でもあった。 青春時代を10年間過ごしたカリフォルニアは僕に多大な影響を与えている。 そして今回の旅でわかったこと、僕はやっぱりカリフォルニアが大好きだということ。そして妻と一緒にカリフォルニアをドライブできたことが本当によかったと感じている。

紺野真

三軒茶屋「uguisu」西荻窪「organ」店主

三軒茶屋「uguisu」西荻窪「organ」店主。著書は『なぜかワインがおいしいビストロの絶品レシピ〜隠れた人気店ウグイス&オルガン自慢の50皿〜』(サンマーク出版)。
好きなワイン 動くワイン。つまり、抜栓してグラスに注いでから刻一刻と表情を変えていくワインが好きなんです。 
好きなつまみ シェーブルチーズ+フレッシュタイム+はちみつ

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