葉山考太郎のワインお悩み相談室♯2 ~ワインを悪用して、恋愛を成就させる手練手管の全て~ | Wine365

Article Wine 365

31. December 2016

葉山考太郎のワインお悩み相談室♯2 ~ワインを悪用して、恋愛を成就させる手練手管の全て~

 

wine_02

 

質問1

ワイン好きの彼と結婚すべきかどうかで悩んでいます。私は都内の旅行会社に勤務する29歳の独身OLです。半年前、都内のワイン・スクールで知り合った彼とお付き合いしています。彼は31歳の独身で、ハーバード大学へ社費留学してMBAを取得したエリート銀行マンです。現在、彼が所有する港区六本木のタワー・マンションの最上階で同棲しています。彼は、185cm、78kgのアスリート体型で、福山雅治のようにとてもハンサムです。彼のお父さんは、日本の主要都市に出店する大手高級ワイン販売店の創業社長で、将来、彼が2代目社長になる予定です。彼のお父さんは、毎月、私達にシャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュの熟成した超銘醸ワインを2ケースずつ送ってくれます。今日の夕食では、彼が極上のラム肉を塩釜で焼いてくれて、クリュッグのクロ・ダンボネ1996年、ラ・ターシュ1988年、シャトー・ディケム1989年を合わせるつもりです。3ヵ月間、一緒に住んでみて、彼は、本当に私を心から愛してくれていると、より一層確信しました。とても優しくて思いやりがあり、品のいいジョークでいつも私を楽しい気分にしてくれます。もちろん、喧嘩などしたことがありません。彼は、今すぐという訳ではありませんが、将来、私との結婚を考えています。私も、彼との結婚を意識しています。彼と早く結婚すべきでしょうか?(29歳、女性、旅行会社勤務)

 

回答1

絶対に結婚してはなりません。その素晴らしい関係は、結婚の翌月に壊れます。

 

 

 

質問2

同じ会社の隣の課の男性(29歳、独身)のことが、とてもとても気になっています。仕事の話はするのですが、それ以上、会話が発展しません。もっと、仲良くなりたいのですが、何かいい案はないでしょうか? ちなみに、彼は、ワインが大好きで、高級シャンパンを集めているそうです。(24歳、女性、保険関係)

 

回答2

シャンパーニュ好きを陥落させるは物凄く簡単です。まず、彼を「ハルキ君」としますと、仕事の話のついでに、「あ、そうそう、ハルキさん、ワインに詳しいですよね? お願いがあるんですが」とさり気なく(いいですか、「さり気なく」&「どうでもいい感を満載で」ですよ!)聞いてみましょう。もちろん、ワイン好きのハルキ君は、1週間絶食している狼の目の前に、松坂牛の霜降り肉をぶら下げたように、「どんなお願いなの?」と一発で食いつきます。そこで、「(超マニアックで希少価値最高のシャンパーニュ、例えば)ジャック・セロスのシュブスタンスとかいうシャンパーニュをもらったんですけど、コルクを開けるのが怖くて飲めなくて、物凄く困っているんです」と言いましょう。このシャンパーニュは、マニア垂涎でハルキ君は、必ず、「えっつ、ジャック・セロスのシュブスタンス? スゴいシャンパーニュを持ってるんだね」と言いながら、生唾を飲み、目を輝かせることでしょう。続けて、「シャンパーニュを開けるのは簡単だよ」と言うはずなので、「では、今度の土曜日のランチで、半分飲んでいただいていいので、開けてもらえると嬉しいんですが」と誘いましょう。ここでポイントが2つ。「土曜日のディナー」だとハルキ君は「厳戒モード」になりますが、「ランチ」と聞くと、「じゃあ、シャンパーニュを一杯、キューッと引っ掛けて、夜はどこかへ行こう」と軽く考えます。また、「半分飲ませる」と聞いて、「女性と二人っきりで飲む」ことの危険さより、「超高級なシャンパーニュを半分も飲めるんだぁ」と、そちらに目が眩み、多分、「必ず、絶対に、何が何でも、槍が降っても矢が降っても、死んでも、這ってでも、行くよ」と返事するはずです。ランチでシャンパーニュをがぶ飲みして、それで足りたワイン愛好家は、人類6000年の歴史の中で一人もいません。シャンパーニュとは別に、下心が大量に入っている安旨ワインも数本用意しましょう。お昼のお酒は物凄く回ります。彼にはお酒をたっぷり、貴女は香水をたっぷり。これで、彼の理性は完全に崩壊し、ウフフの展開が待っています。翌朝、二人でシーツに包まりながらシャンパーニュを飲むことでしょう。ここで貴女は思うはずです。「ジャック・セロスのシュブスタンスってとても高価なんでしょう? そんな高いシャンパーニュを用意して、ハルキ君が来なかったら無駄な投資になるんじゃないの?」 そんな心配はご無用ですよ。ハルキ君が「シャンパーニュを開けに行くよ」と言ってから、通販で買えばいいのですから。

 

 

illustration:Tetsuro Sakaki

葉山考太郎

ワイン・ライター

シャンパーニュとブルゴーニュとタダ酒を愛するワイン・ライター。ワインの年間純飲酒量は400リットルを超える。これにより、2005年、シャンパーニュ騎士団のシュヴァリエを授章。「30分で一生使えるワイン術」(ポプラ新書)など著書多数。

好きなワイン

1番はタダ酒、2番目はブルゴーニュとシャンパーニュ。3番目は千円未満のワイン

好きなワインつまみ
たこ焼き、明石焼き、お好み焼き、蕎麦汁、ハムかつ、牡蠣フライ、海老フライ

よく見られているコラム

▲ TOP