森一起の今夜もコップワイン#003 立石「二毛作」 | Wine365

Article Wine 365

14. January 2017

森一起の今夜もコップワイン#003 立石「二毛作」

外観2

 

大人のディズニーランド、東京の酒都・立石には計り知れない魅力がある。モツ焼きの頂点、宇ち多゛に代表される圧倒的なクオリティと群を抜いたホスピタリティー。そして、何れ劣らぬリーズナブルな価格設定。モツ焼きから、寿司、鳥素揚げ、大衆食堂、種から手作りされたおでん、飲めるうどん屋、絶品の餃子まで揃うヴァラエティ。その中でも、選び抜かれた日本酒やヴァンナチュール(自然派ワイン)を取り揃えた立石のヌーヴェルヴァーグが二毛作だ。

 

日高

 

立石仲見世で30余年続くおでん種専門店、丸忠蒲鉾店の跡取りとして生まれた日高寿浩さんは、大学卒業後ロンドンへ遊学。帰国後、家業を手伝いながら、閉店後の店先に椅子とテーブルを出し、おでんをつまみに缶ビールやコップ酒を出した。やがて、隣りの店舗へと店を拡張。等身大の夢を持つ地元の仲間、西村浩志さんと二毛作をスタートする。テイクアウト&イートインで二毛作。おでんだけでなく毎日千住市場で仕入れる刺身類も揃え、好きな酒だけを並べた。

 

白赤

 

その後2015年春に移転、リニューアルオープンした二毛作で燗酒やヴァンナチュールと共に人気が高いのが、一升瓶の通称がぶ飲みワイン450円だ。一升瓶と言っても、そこは二毛作チョイス。注目の生産地、山形県南陽市にある、こだわりのノンフィルターワイン・酒井ワイナリーの「まぜこぜワイン」を使用。その名の通り、澱引き後にできた澱を集め、再沈殿。再び、澱引きして、品種もビンテージもすべてまぜこぜにブレンド。ノンフィルターの終着駅みたいな味わいは、あっさりとした出汁のおでんとの相性もよく、100円のちくわぶから、150円の玉子、200円の大根や中華揚げと、すっかり箸が止まらなくなる。しかし、ここでは名物のトマト(400円)やカキ(500円)のおでんもマスト。やっぱり4500円から揃う、ハズレなしのヴァンナチュールがボトルで欲しくなる。いや、燗酒も捨て難い。そんな時、日高さんから声がかかる。「これから、どこに回るんですか?」そう、ここは立石、まだまだお楽しみはこれからだ。

 

棚

 

さて、はしごの前にもう1杯、赤か白をお代わりしよう!ここは二毛作、オレンジワインや、レアな国産ウィスキーだってある。おでんの鍋を取り囲むウッディなカウンターの周りには女性たちやカップルの姿も目立つ。みんな、大人の遊園地・立石を心の底から楽しんでいるに違いない。1杯のワインと旨いアテ、お気に入りの酒場があれば、まだまだ、この街は捨てたもんじゃない。
乾杯、二毛作。乾杯、日高さん、ウッチー、お父さんこと酒井さん。かけがえのない今夜に乾杯しよう!
1杯のワインの向うには、少しだけ眩しい明日が見える。

 

「二毛作」
住所:東京都葛飾区立石1-14-4
電話:03-3694-2039
営業時間:14:00頃~L.O.22:00、土曜12:00〜L.O.20:00
定休日:日曜・第3月曜

森一起

街と泡好きなライター

下町ハイボールからシャンパーニュまで街と泡好きなライター、作詞家、ミュージシャン。9年続く、雑誌『料理通信』の人気連載「安くて旨くて何が悪い!」では、東京の目利き。食のキュレートサイトdressingでは食の賢人として連載執筆中。
好きなワイン ジャン・イヴ・ペロンのヴァン・ド・フランス・ブラン・コティヨン・デ・ダム2013サン・スーフル
好きなつまみ タマリンドソースでグリルした鶏胸肉と青パパイヤをたっぷり挟んだ仏印風バインミーサンド

よく見られているコラム

▲ TOP