葉山考太郎のワインお悩み相談室♯6 ~ワインを悪用して、恋愛を成就させる手練手管の全て~ | Wine365

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26. April 2017

葉山考太郎のワインお悩み相談室♯6 ~ワインを悪用して、恋愛を成就させる手練手管の全て~

 

質問1

ワイン・グラスの質問です。いつも、自宅でワイン・パーティーの名目で合コンをしています。このパーティー用にキチンとしたグラスを揃えたいのですが、どんな形のグラスを何種類用意すればいいでしょうか?(34歳、男性、食品関係)

 

 

回答1

当たり前ですが、ワインは飲むとなくなる消耗品です。実はグラスも消耗品で、どんどん割れてしまいます。1脚500円前後の大きくて安い物(でも、結構、それらしく見えるグラス)を大量に揃えるのがコツです。グラスが割れる状況は2つ。飲んで酔っ払っている時と、グラスを洗う時です。

まず、酔っ払った場合ですが、腕や袖に当たったグラスが床に落ち、簡単に割れてしまいます。床にはガラスの破片が飛び散り、赤ワインまみれになり、みなさん、「キャー」っと大騒ぎ。その時、質問者様は、慌てず騒がず、ティッシュ・ペーパーでガラス片とワインを拭き取り、グラスを倒した女性に、「お怪我はありませんか?」と笑顔で聞きましょう。女性は必ず、「グラスを割ってしまって本当にゴメンなさい。高いグラスなんでしょう?」と謝るはずです。もちろん、「いえ、安いグラスなんで、お気になさらないでください」と涼しい顔で答えましょう。1脚500円なので、心の底から「安いグラス」と言えます。この余裕から「スケールの大きな人間」のオーラがバチバチに出ます。女子は、「気が優しくて力持ち」的な男子に胸がキュンとなるでしょう。

グラスを割るもう1つの状況は、グラスを洗う時です。パーティーがお開きになり、酔っぱらった勢いでグラスを洗うと、必ず、十中八九、何が何でも、絶対に、魅入られたように、割ってしまいます。グラスの底を持って胴体を洗う時、グラスの脚を捩じ切ってしまうことが多いようです。酔っ払っている時にグラスを洗ってはなりません。翌日に洗うのが鉄則ですが、超級美女がトロンとした目で、「じゃあ、あたし、グラスを洗いますね」と申し出た場合、是非、是非、お手伝いしてもらって一緒に洗いましょう。狭いキッチンで、くっついてグラスを洗い、「へぇー、麻衣さん、シャンベルタンがお好きなんですか。僕も大好きですよ(シャンベルタンが嫌いな人は、報知新聞を定期購読している阪神ファンより少ないでしょう)」なんていい感じで話が弾みます。そんなタイミングで麻衣サンは、必ずグラスを割りますので、まず、「お怪我はありませんか?」とフォローし、指を切っていれば、きちんとバンドエイドを巻いてあげましょう。麻衣サンは、「グラスを割ってしまってゴメンなさい。弁償させてください」と申し訳なさそうに言うでしょうが、予定通り、「安いグラスなので、ご心配なく」と、人間の大きさをアピールしてください。500円の出費で、美女の気持ちを鷲掴みにできます。

で、どんな形のグラスを選ぶか? 理想は、白ワイン、赤ワイン、シャンパーニュの3種類を揃えることですが、3種を10人分も揃えるには、東京都の年間予算ほどの出費と、東京ドームぐらい広い収納場所が必要となります。パーティー用には1種類だけ、リーデル社ヴィノム・シリーズの「キアンティ・クラッシコ」の形、大きさ(370cc)のグラスだけで十分です。これ1つで赤白泡に対応できる優れモノ。ワイン・グラスの帝王、リーデル社製なら1脚4,000円ですが、激安ショップへ行くと、よく似たグラスをうまくすれば300円、400円で買えます。これをドカンと1ダース揃えましょう。リーデルのグラスは、ステム(脚)が病める鶴の足のように華奢で美しいのですが、そんな高級品を出すと、「割られるんじゃないか」とドキドキハラハラ、精神衛生上、よくありません。グワグワと鳴くカラスの足ほど太いステムだけれど300円なら、割れても余裕のヨッちゃんです。この余裕がモテる秘訣です。

大勢で飲む時は、丈夫一点張りの安いグラスを、二人の時はリーデルの高級グラスでワインを飲むのがワインのプロです。

 

 

 

 

 

 

 

illustration:Tetsuro Sakaki

葉山考太郎

ワイン・ライター

シャンパーニュとブルゴーニュとタダ酒を愛するワイン・ライター。ワインの年間純飲酒量は400リットルを超える。これにより、2005年、シャンパーニュ騎士団のシュヴァリエを授章。「30分で一生使えるワイン術」(ポプラ新書)など著書多数。

好きなワイン

1番はタダ酒、2番目はブルゴーニュとシャンパーニュ。3番目は千円未満のワイン

好きなワインつまみ
たこ焼き、明石焼き、お好み焼き、蕎麦汁、ハムかつ、牡蠣フライ、海老フライ

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