森一起の今夜もコップワイン#007 渋谷「莢@クアーレ」 | Wine365

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17. June 2017

森一起の今夜もコップワイン#007 渋谷「莢@クアーレ」

 

街ぐるみの酒都、大人のディズニーランドが立石なら、渋谷のんべい横丁は不滅の人気アトラクション、イッツ・ア・スモール・ワールドだ。エンドレスの幸せなメロディーに包まれて、横丁という船に揺られ漂泊する間に、いろんな楽しみや味覚、世界の友だちに出会う。都内随一の焼鳥を給する老舗、何代も続くおでん屋。そして、自然派ワインの立ち飲み屋まで、のんべい横丁には多種多様な店があり、どこを覗いても、旨くてリーズナブル。

最近は外人観光客たちの旅のマストとして、連夜、いろんな国の言葉がこだましている。その表通りで、曜日によって変容する人気のバーが「莢/saya」だ。

 

 

かつて代官山で伝説の店、棗/natsumeを開いていた五嶋佳代さんが渋谷に舞台を移して開いた最初の店が「莢/saya」。

現在、佳代さんは裏通りの民藝と和酒の店、黍/kibiを主に担当し、「莢」は曜日毎にまったく違う個性の店になる3交代制。

日曜の静かなバー営業が明けると、月火はお好みの鮨バー、水曜の休みを挟んで、木金土が莢@クアーレだ。恵比寿や青葉台、二子新地でタベルナ・クアーレを主宰する福地一也さん自ら、イタリアンの出張メニューで腕を揮う。

 

 

まずは前菜盛り合せ700円を頼んで、白を貰おう。もちろん、ワインはすべてイタリアン。白も、赤も、グラスにたっぷり800円で、自由に楽しむことができる。常時、2種類ずつ開いているので、黒板のすべてを試した後で、好みのワインをお代わりしてもいい。

 

 

おっ、福地さんがカウンターの上の生ハム600円を切り始めた。これはもう、オーダーするしかない。だったら、当然グラスの赤が欲しくなる。

肉と赤って、どうしてこんなに相性がいいんだろう。追加でスナギモ600円も、オーダーしよう。ゆっくりとコンフィして、マスタードソース仕立てにしたスナギモは官能的な食感に変わっている。〆には、アマトリチャーナかカルボナーラだって待っている。パンチェッタか、ペンネか、好きなパスタを店主と相談しながら選べるのも、コンパクトな横丁ならではのお楽しみだ。

 

 

「相席、OKですか?」、日本語が流暢なフランス人が莢を覗く。さて、横丁のはしご酒に旅立つ前に、もう1杯、白か赤のグラスを貰おう!今日、横丁デビューだって言う女子2人も、すっかり頬をワインに染めている。1杯のワインと旨いアテ、お気に入りの酒場があれば、まだまだ、この街も捨てたもんじゃない。

乾杯、莢@クアーレ、乾杯、福地さん、佳代さん、乾杯、横丁のみんな。かけがえのない今夜に乾杯しよう!

1杯のワインの向うには、少しだけ眩しい明日が見える。

 

莢/saya
〒150-0002東京都渋谷区渋谷1-25-10のんべい横丁
電話 03-5774-0738
営業時間 18:00~24:00  日曜 17:00~23:00
定休日 水曜(クアーレは木金土)

森一起

街と泡好きなライター

下町ハイボールからシャンパーニュまで街と泡好きなライター、作詞家、ミュージシャン。9年続く、雑誌『料理通信』の人気連載「安くて旨くて何が悪い!」では、東京の目利き。食のキュレートサイトdressingでは食の賢人として連載執筆中。
好きなワイン ジャン・イヴ・ペロンのヴァン・ド・フランス・ブラン・コティヨン・デ・ダム2013サン・スーフル
好きなつまみ タマリンドソースでグリルした鶏胸肉と青パパイヤをたっぷり挟んだ仏印風バインミーサンド

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