葉山考太郎のワインお悩み相談室♯10 ~ワインを悪用して、恋愛を成就させる手練手管の全て~ | Wine365

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19. August 2017

葉山考太郎のワインお悩み相談室♯10 ~ワインを悪用して、恋愛を成就させる手練手管の全て~

質問1

ワインが大好きな彼女のお誕生日に何をプレゼントしたらいいでしょうか? 予算は3万円まででお願いします。最初、彼女の誕生年ワインをプレゼントしようと思ったのですが、彼女の誕生年の1977年は、あまり良いヴィンテージではないようです。ウェブ・サイトを検索しても、あまりヒットしません。ボルドー、ブルゴーニュとも数が少なく、聞いたことがあるワインは予算を超過する上、熟成の頂点を過ぎている危険性があります。実は、彼女は来月、40歳の誕生日を迎え、「私もとうとう40歳なのね」と時々、深い溜息をついています(私には、30代チョイ過ぎの超級美女にしか見えませんが)。その意味でも、誕生年ワインのコルクを抜いて、熟成の頂点を過ぎていることが分かると、彼女は物凄くガッカリすると思います。1977年ヴィンテージで、うまく熟成しているワイン、もしくは、それに代わるプレゼントを教えていただきたいのですが。(38歳、男性、団体職員)。

 

 

回答1

 誕生日のプレゼントとして、誕生年ワインをもらうのはとても感動的ですね。もし、お相手がワインに詳しくなければ、また、熟成ワインを試飲した経験がなければ、とりあえず1977年ヴィンテージのワインをテキトーにプレゼントするとイイでしょう。お相手は、もったいなくて、なかなか開けないでしょうし、開けて飲んでも、「私と同じ40年間、じっと暗闇で修業に励んだワインなのね」と感動してもらえるからです。でも、質問者様の彼女は、熟成ワインをいろいろお飲みになっているようで、この手は使えませんね。

 それほどいい収穫年ではない場合、お相手が男性なら、酒精強化したポート酒を、お年寄りなら、超甘口のデザート・ワインをプレゼントする手がありますが、バリバリのワイン愛好家の女性には不向きかもです。そんな八方ふさがりの状態での超感動プレゼントが、「相手の年の数だけ188ccボトルをバスケットに入れてプレゼントする」です。

 188ccのボトル(ピッコロ・ボトル)は、飛行機の機内サービスで出てくる飲み切りサイズです。以下のステップに従うと、ネコでも誰でも飛びきりオシャレで感動的なプレゼントを作ることができます。

 

ステップ1:「ワイン ピッコロ・ボトル」で通販のウェブ・サイトを検索すると、大量にいろんなワインにヒットします。価格は以下の範囲でしょう。

  • 赤ワイン(オーストラリア産で1本400円から600円)
  • 白ワイン(1本400円から600円)
  • スパークリング・ワイン
  • シャンパーニュ(1本1500円から2000円)
  • カヴァ(スペイン産の辛口泡:1本500円から700円)
  • オーストラリア産、イタリア産の辛口泡(1本500円前後)

 

ステップ2:いろんな国の赤白泡を取り混ぜて合計40本、オーダーします。これで、2万円少ししかかかりません。

 

ステップ3:同じく通販で、取っ手の付いた籐(ラタン)のランドリー・バスケットを購入します。ピッコロ・ボトルが40本入る容量(約20,000~30,000立法センチ)のものがいいでしょう。例えば、以下のURLのランドリー・バスケットは、3,980円で40,000立法センチあります(この時点での累積予算は2万5千円です)。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/siam-siam/nyck-01.html?sc_i=shp_sp_search_itemlist_shsrg_title

 

ステップ4:40本のボトルを不透明な包装紙やセロファンでラッピングします。意外とオシャレなのが、お花屋さんのようにフランス語新聞で巻くことです(老婆心ながら、彼女がよほどの阪神タイガースのファンでない限り、「福留、奇跡のサヨナラ打!」と大活字が躍るデイリー・スポーツ新聞は止めましょう)。ル・モンド紙やフィガロ紙はどこで買えるか? 都市部なら大手書店で買えますし、ラッピング専用の「フランス語新聞もどき」なら、以下のウェブ・サイトで購入できます(しかも、新聞紙大:813mm X 546mm 1枚で税込価格はたったの21円)。
http://petittrain.shop-pro.jp/?pid=62988666

 

ステップ5:フランス語新聞でラッピングしたら、色とりどりのリボンでボトルのネックを巻きましょう。彼女のことを想いながらキチンと1本ずつ気持ちを込めて巻きます。これをサボってはなりません。赤ワインは赤いリボン、白ワインは白いリボン、スパークリング・ワインはブルーにすると、中身が分かるだけでなく、カラフルでスタイリッシュ感が出ます。

 

ステップ6:ピッコロ・ボトルを40本、ドカンと籐のランドリー・バスケットに入れます。このまま、彼女宅へ運んでもいいのですが、バスや電車で持ち運ぶ時は、籐のバスケットを送ってきた梱包用の段ボール箱を再利用しましょう。注意すべきことが1つ。全部で20kgほどあるので、腰を痛めないように。

 

このプレゼントで感動してもらえないなら、40カラットのダイヤモンドを贈っても、恋は成就しません。なお、フランスの男性は、「女性が精神的、身体的に頂点を迎えるのが40代」と信じています。私もそう思います(小中学生を相手にムラムラできるのは、私には、鼻の穴からシャンパーニュを飲むように特殊能力としか思えません)。ピッコロ・ボトルは、風呂上がりの飲みきりサイズ。これを40本も飲むうちに、彼女は、人生の頂点を迎えた気分になるでしょう。半分、飲ませてもらえるとイイですね。成功を祈ります。

 

illustration:Tetsuro Sakaki

葉山考太郎

ワイン・ライター

シャンパーニュとブルゴーニュとタダ酒を愛するワイン・ライター。ワインの年間純飲酒量は400リットルを超える。これにより、2005年、シャンパーニュ騎士団のシュヴァリエを授章。「30分で一生使えるワイン術」(ポプラ新書)など著書多数。

好きなワイン

1番はタダ酒、2番目はブルゴーニュとシャンパーニュ。3番目は千円未満のワイン

好きなワインつまみ
たこ焼き、明石焼き、お好み焼き、蕎麦汁、ハムかつ、牡蠣フライ、海老フライ

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