葉山考太郎のワインお悩み相談室♯11 ~ワインを悪用して、恋愛を成就させる手練手管の全て~ | Wine365

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9. September 2017

葉山考太郎のワインお悩み相談室♯11 ~ワインを悪用して、恋愛を成就させる手練手管の全て~

 

質問1

料理が超苦手な女子です。自宅のワイン会でどんな食べ物を出せばいいでしょう?

会社の同期入社組が2、3ヶ月に1回集まって、お花見や海水浴へ行きます。次回ですが、話しのはずみで、来月、私のウチでワイン会をすることになってしまいました。参加者は、私を入れて全部で6人。その中に、私が気になっている彼がいますので、料理をテキパキ作って彼に好印象を残したいところですが、私は残念ながら「料理苦手女子」。一人暮らしですが、自宅でほとんど包丁を握らず、冷凍物で済ませています。彼の前で、ヘンな料理を出してポイントを下げたくありません。どんな食べ物を出せばいいでしょうか? 助けてください。(24歳、女性、不動産系)

 

回答1

 料理が苦手な女子でも、ワイン会をスタイリッシュに演出するのは、簡単です。

 食事の味は「器」で決まります。スーパーの刺身でも、美しい器に盛りつけるとカッコよく見え、美味しく感じます。まずは、スタイリッシュな器で彼をビックリさせましょう。センスのいい皿やカトラリーを揃えるのは、物凄くお金がかかりますし、大きな収納場所も必要です。そんな時の強い味方が、例えば以下のURLの「オシャレな紙食器」です。

http://www.wasara.jp/

 この中で、角皿(特大)を1人1枚、角皿(小)を1人3枚分、オンライン・ショップで購入しましょう。全部で2,500円程度かかりますが、彼をゲットするための必要経費です(同じウェブ・サイトに、オシャレな竹製のナイフとフォークも載っています)。

 次に食べ物です。ネット・ショッピングやオシャレな輸入食料品店で以下を用意します。全て、火を使わず、切って並べるだけ。必要なのは、盛り付けのセンスだけです。

 

(1)塩

少し灰色で、粒が大きいカマルグやゲランドみたいなフランス産の塩を入手します。これは、「日本産じゃないよ、高級な塩だよ」と「非日常」をアピールするためです。1箱1,000円と高めですが、彼の前でイイ格好をするための投資と割り切りましょう。これを1枚目の角皿(小)に入れます。

(2)オリーブ・オイル

食卓にスタイリッシュな地中海の雰囲気を出すには、オリーブ・オイルは不可欠です。スーパーで売っているフツーのオリーブ・オイルの小瓶で構いません(1瓶500円ぐらい?)。これを、2枚目の角皿(小)に入れます。

(3)蜂蜜か、メープル・シロップ

フツーのチューブ入り蜂蜜を少量、メープル・シロップでもOKです(1個500円?)。これを3枚目の角皿(小)に入れます。使い方は、以下のチーズの項目を参ください。

(4)バゲット・パン

ワイン会の必需品がバゲット・パンです。本来は、次のワインに移る前に、口をニュートラルにするためのものですが、ワインばかりでお腹が空いた時にも食べます。フツーのパン屋で、輪切りにしたものを買います。これを1人3切れほど、各人の角皿(特大)に盛りましょう。イタリアで、パンをオリーブ・オイルで食べたり、更に、塩を付けて食べるのはフツーですが、日本でやると、非日常感が満載ですね。

(5)タネつきオリーブ

もう一押し、日本の食卓に地中海の風を吹かせるには、オリーブがなくてはなりません。ただし、タネを抜いたオリーブは使用不可。1cmのタネに「オシャレ感と本物志向」が1,000g詰まっているのです。1人、4、5個もあればいいでしょう。6人分で30個。1,000円以下で買えます。これも角皿(特大)のバゲットの隣に盛り付けます。

(6)チーズ(ブルー・チーズとミモレット)

ロミオとジュリエット、お染と久松、ワインとチーズ。「日本人は麺と悲劇が好きで、チーズと喜劇は苦手」とは言いますが、やはり、形式美としてワイン会にチーズは不可欠。プロ度満載のブルー・チーズとミモレットを出して(少量で十分)、食文化レベルの高さをアピールしましょう。これも各人の角皿(特大)に盛り付けます。ブルー・チーズは200gで1,000円、ミモレットは12ヶ月熟成が200gで1,500円ほど。ブルー・チーズは塩分が強く、独特のクセがあるので、「お手元の蜂蜜と一緒にどうぞ」と、さり気なく言いましょう。あるいは、蜂蜜が何のためにあるのか聞かれたら答えるのも、奥ゆかしくてイイ感じ。ブルー・チーズと蜂蜜の組み合わせは非常にプロっぽく、グルメ修行を積んでいる「お嬢様」であると彼にアピールできます。

(7)生ハム

生ハムも、ワイン会の常連ですね。イタリアやスペイン産の本格的な物でなくても構いません。1人2、3枚もあればイイでしょう。1,000円ぐらいで買えます。これも、角皿(特大)に、他の物と一緒に盛り付けます。

(8)クリスタル塩入りバター

パンにはバターですね。フツーのバターじゃ詰まらない。ここは、塩の粒が入ったバターで「非日常」を演出しましょう。口の中でシャリシャリする塩の粒がオシャレ。みなさん、結構、ビックリしますよ。「ビックリ料」は意外に高く、現地では2ユーロなのに、日本では1,500円もします(以下のURLを参照。上はフランス、下は日本)。

https://www.monoprix.fr/beurre-demi-sel-aux-cristaux-de-sel-de-mer-de-noirmoutier-grand-fermage-64779-phttps://item.rakuten.co.jp/tabulu/c/0000000177/

パリで、本場の水戸納豆を食べるようなものでしょう。海外の日常食を日本で食べるのは高くつきますが、スタイリッシュさを演出するには、我慢。このバターを半分に切って、角皿(小)にドカンと入れ、ナイフを刺して、テーブルの真ん中に置きます。

 

 各人の大きな角皿にバゲット・パン、オリーブ、チーズ、生ハムが乗り、小さい角皿に、オリーブ・オイル、塩、蜂蜜があり、テーブルの真ん中には塩の粒入りバターが置いてある風景はかなりスタイリッシュ。取り分けるのが面倒ですが、「料理の達人」の雰囲気が出るはずです。紙皿も含めて全部で1万円の出費になりますが、その効果は十分です。

 ワイン会では各自がワインを持ってくるので、1人1本飲みます。ゆっくり1人1本飲んで上記の食べ物を食べると、もう少し食べたくなるはずです。ここで、「いつもの」冷凍食品の出番です。これだけスタイリッシュなテーブル・セッティングの後では、冷凍のピザやグラタンを出しても、誰も「手抜き」とは思いません。逆に、「非日常」から「いつも」へ帰ってきて、懐かしさを感じるでしょう。質問者様が、高貴な「シンデレラ姫」から気軽な「町の娘さん」へ変身し、彼はそのギャップに萌えるはずです。

 

illustration:Tetsuro Sakaki

葉山考太郎

ワイン・ライター

シャンパーニュとブルゴーニュとタダ酒を愛するワイン・ライター。ワインの年間純飲酒量は400リットルを超える。これにより、2005年、シャンパーニュ騎士団のシュヴァリエを授章。「30分で一生使えるワイン術」(ポプラ新書)など著書多数。

好きなワイン

1番はタダ酒、2番目はブルゴーニュとシャンパーニュ。3番目は千円未満のワイン

好きなワインつまみ
たこ焼き、明石焼き、お好み焼き、蕎麦汁、ハムかつ、牡蠣フライ、海老フライ

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